三陸鉄道 北リアス線
今回は三陸鉄道に乗ってきました。
三陸鉄道、ご存知でしょうか?
岩手県内の三陸海岸沿いを走っている鉄道で、この路線は元はと言えば国鉄の路線でした。
国鉄盛線 盛 – 吉浜
国鉄宮古線 宮古 – 田老
国鉄久慈線 普代 – 久慈
の3つです。
国鉄には特定地方交通線(赤字ローカル線)という枠を設けて輸送密度の低い路線をバス転換する動きがありました。
つまり、利用客が少なくて赤字の線には代わりにバスを走らせよう、という動きです。
今でいうBRTのようなものでしょうか。
中には第三セクターとして地方公共団体、地元企業が経営を引き継いだケースも多数あり、三陸鉄道もそのうちの一つです。
宮古線と久慈線も特定地方交通線に該当して、国鉄から廃止対象路線に選ばれてました。
当時は吉浜 – 釜石、田老 – 普代の間が未開業でした。
ただし上記の、吉浜 – 釜石、田老 – 普代の間については線路がほぼ完成していました。
特定地方交通線に選ばれたからじゃあ廃線、はあまりに勿体ないし線路を活用できるならしたいと言う心があるでしょう。
1981年に国鉄が捨てた路線を岩手県と沿線市町村が三陸鉄道株式会社として新たに経営をスタートさせました。
国鉄時代には赤字路線だったとしても経営を引き受けて三陸縦貫鉄道を完成させたとは、やはり地元民にとって鉄道が一本縦貫するのは強い願いだったのでしょう。
1984年4月1日に三陸鉄道は南リアス線 盛 – 釜石 と 北リアス線 宮古↔︎久慈 が全通しました。
2019年3月には釜石と宮古を結ぶJR山田線が震災から復旧する予定で、この山田線の経営は三陸鉄道に移管される予定です。
すると南リアス線と北リアス線が繋がります。路線の名前は統合されて’リアス線’に変わるそうです。
さて、今回は三陸鉄道のうち北リアス線に乗りました。
久慈駅から乗車したんですが、どこまで行こうかとハッキリ決めていなかったので三陸鉄道1日フリー乗車券を購入しました。
一つ注意が必要で土休日と平日で値段が違います。
北リアス線だと土休日が2500円で平日が3700円。
平日においては久慈 – 宮古の往復運賃と同じ値段になりますね。(1850円×2=3700円)
もちろん途中乗り降り自由と言う点では普通切符と違います。
他にも沿線施設とコラボしたお得切符があります。
行きたい場所に合った切符が見つかればぜひ活用するといいでしょう。
私はこの後久慈駅に戻って友人と待ち合わせる予定があったので1日フリー乗車券にしました。
しかも友人が来る時間は未定、リアルタイムで状況に応じて動くため一番融通が利く切符が良かったのです。
こちらは36 – 200形
ジュースの自動販売機付きが200形 自動販売機がないのが100形
今回は自販機付きでしたから200形です。故障中のため自販機は使用できませんでした。
車両前面扉の部分(正確には渡り板)を見ると36-202と書いてあるので200形なのだろうと推測できます。
後ろにかいけつゾロリ大冒険号のラッピング車両が連結されていました。
回送と表示されていて乗車はできません。
これは宮古駅からスタートするイベント用の車両で、宮古駅に連れていってもらうため、後ろに付いていってました。
安家川橋梁(あっかがわきょうりょう)です。
三陸鉄道では眺めの良いポイントで停車して、写真を撮る時間をとってくれます。
また運転士さんが車内アナウンスで説明してくれます。
こういったサービスからも観光に力を入れている路線なんだなあと感じます。
下の写真は大沢橋梁
ドラマあまちゃんでも登場した場所で有名みたいですね。
こちらでも停車してくれて、運転士さんがアナウンスをしてくれます。
田老駅で下車をしました。
三鉄はどこもそうですが駅看板が新しくデザインされてキレイになっています。
駅看板には周辺の名所である山王岩の写真がプリントされています。
銀色のしぶき、という駅の愛称が付けられており、三陸鉄道はネーミングライツビジネスを実施しています。
駅にニックネームをつけて宣伝効果を持たせるというものです。
これは銚子電鉄なども実施していますね。
地方ローカル線にとっては貴重な収入源となるそうです。
利用者の少ないローカル線は旅客営業だけではどうしても赤字になってしまうという厳しい現実があります。
田老は津波の被害が大きかったところでその後の状況がちょっと気になったので降りてみました。
駅から魚港までの間に新堤防の工事がされていました。
漁港も津波の被害がありこちらは既に新しく仕立て直されていました。
堤防工事の請負額の大きさには驚きました。
一つの新堤防の工事看板を見つけたんですがその額が約10億円でした。
もちろん漁港の工事費などはまた別です。
岩手県だけでこの額を工面したとは思えないので恐らく国からも出てるんでしょうが、こういった工事額を見ると高額すぎて昔から「えっ」と驚くと共に「なぜここまで高額?」と首を傾げたくなります。
実は三陸鉄道も経営継続が困難であった時に国から補助を受けたとがあります。
トンネル、橋、線路の整備運用は国と自治体が引き受けて、運転業務に三陸鉄道が専念するといったやり方です。
しかしこう岩手県は国から予算が降りやすいんですかね?。
田老を降りて間も無くすると友人から連絡があったので次の列車で久慈に引き返すことにしました。
帰りも同じ36−200型の車両でした。
マニアックなところをつくとシートの模様がさり気なく洒落ているなと感じます。
行きもそうだったんですが、三陸鉄道に乗っていると途中寝てしまいます。
(夜に高速を走って久慈まで来たので、今回は列車内で睡眠時間を確保するというのも一つの目的だったので良かったのですが。)
寝てしまう理由としてはトンネルが多いからです。(笑)
でも2500円で三鉄に乗れて、観光も出来て、車内で睡眠時間も取れたのでかなりリーズナブルな選択が出来たと思います。
電車内は読書も出来るし、テーブルがあれば簡単なデスク仕事もできるので使い方によってはかなり便利だと思います。
帰りの安家川橋梁付近の景色です。
向かいに見える半島の先に久慈があります。
三陸鉄道はローカル線の中では結構速い印象を受けます。
陸中野田、陸中宇部近辺では80km/h以上出てました。
三陸鉄道は観光に力を入れてるなと感じます。
ホームページのデザインも綺麗で見やすいと思います。
36- R形や36- Z形の車両も乗ってみたかったですが、今回は時間が合わなかったです。
三陸鉄道に乗る際はそっちの運行時間もチェックして見ると良いかもしれません。