函館市の恵山岬でタンカーが座礁。岬に向かって鋭角に曲がる航路をとる。
先日、函館市の恵山岬(えさんみさき)沿岸で、タンカーが座礁する事故がありました。
えい航作業2日連続断念 重油漏れの状況確認など優先 岩場からの脱出は9日以降に 函館市
タンカーは、北海道の苫小牧港から、秋田県の船川港に向かう最中であったと言います。
事故当時、風や波は穏やかであったと、日刊スポーツ内で報じられています。
https://www.nikkansports.com/general/news/202501080001331.html#goog_rewarded
通常、タンカーは座礁しないように対策がされた上で航海が行われていると言われ、以下のように、船が座礁しないための対策がされていると言われます。
海は水深が深いところばかりではありません。浅瀬もあれば海面下に隠れた岩(暗礁(あんしょう))などもあります。
日本船主協会 : Q30:座礁(ざしょう):船が座礁しないためにどうしている?
超大型の原油タンカー(VLCC)の場合、貨物の原油を満載すると海に沈んでいる部分の深さ(喫水)が20m以上にもなります。このため、海図には水深や暗礁など海面下の障害物の位置、それから潮流の影響で船が流されてしまうこともありますから、潮流の流れや速さなどの情報が詳細に示されています。 航海士は、こうした海図の情報をもとにして船が安全に航海できるように船が進むコースを決めていきます。
また、湾は川から流れてくる土砂が堆積して、そのままにしておくと水深が浅くなって船が通れなくなってしまいますから、定期的に海底を浚渫(しゅんせつ)して十分な水深を確保するようにしています。さらに、ほとんどの商船は音響測深儀といって水深を測る装置を積んでいて、水深の浅い海域ではこの装置を使って座礁しないように注意しています。
ところが、タンカーの座礁というのは度々報じられることがあり、タンカーが座礁し、原油や重油が漏れたという報道を耳にすることがあります。
今回の事故に事故については、不自然な点があった事が指摘されています。
・鋭角に曲がったタンカー
海難事故を研究する神戸大学の若林伸和教授は「通常では考えられない事故」と驚きを隠しません。
神戸大学 若林伸和教授
「非常に普通ではないというか、急に曲がって一直線に岬のほうに向かってる感じですので、何があったのかな…と考えにくいところです」事故当日の『さんわ丸』の航路です。
6日午後1時すぎに、北海道の苫小牧港を出発し、秋田に向かいました。
しかし、午後6時ごろに進路を急に変更。恵山岬の近くで座礁しました。
若林教授は風や潮の影響はなく、エンジントラブルも考えにくいとして運航体制に不備があった可能性を指摘します。
神戸大学 若林伸和教授
「最近時々あるのが、携帯の電波を求めて陸岸に近づいていくということがあって、まあ、いろんな問題があるので、そういうことはこれからの聞き取りで明らかになっていくと思います」
重油の流出が始まったことで、漁業や生態系への懸念も出てきました。
地元の漁師は突然の事故に戸惑いを隠せません。
地元の漁師
「アワビとかウニとか、そこらで取れるところなんだ」
(Q.油がかかったら死んじゃう?)
「死んじゃうさ。なして、ここ入ったんだろうな」
神戸大学 若林伸和教授
「(過去の事故でも)その後、環境が戻るまでにかなりの時間を要して、作業も大変だったということがあるので、やはり生態系に及ぼす影響は大きくて、漁業とかには特に影響が出てくる可能性はあります」
函館市 大泉潤市長
「きょう(8日)の夜にも、漁協とか海保で会議が開かれると聞いている。市の方も関わりながら対応を注視したい」
夕方には、函館市の大泉市長も視察に訪れた『さんわ丸』。
影響がどこまで広がるのか。地元の関係者は固唾をのんで見守っています。
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/座礁したタンカーから重油が流出し-船体も右に傾く-乗組員を退避させたい-と救助要請-専門家は-通常では考えられない事故-と指摘-北海道函館市/ar-AA1xaoMy
津軽海峡では携帯の電波は入るという声がありますが、入りにくい(不安定)という声もあります。
お昼寝してたら昼食を逃した。
— Hatsune@valefor (@hatsune_valefor) June 6, 2022
そろそろ津軽海峡なので携帯電話の電波もちょこちょこ復活。
不安定になりましたし(フェリー内のWifiは大丈夫)、やはり陸奥湾とは違って風と波がまあまあありますね、、、
— た・け・し💙(Ta-ke-shi) (@0416tks) October 3, 2021
津軽海峡は時々中国やロシアの軍艦も通航するので、海上自衛隊の艦艇が警戒監視任務にあたっていることがありますが、今のところ、今朝は見当たらないですね。 pic.twitter.com/W8hIQe2kly
事故原因が明らかになり、原因不明のままにされる事故がなくなり、輸送の安全が守られますことを願います。