鉄道技術

山手線と新幹線のモーターの回転の速さは、実はあまり変わらない。

新幹線は時速300kmほどで走り、普通の電車に比べてかなり速いですが、新幹線に使っているモーターはそんなに速く回転して壊れないの?

と疑問に思ったことはあるでしょうか?

私は、いろいろ想像している時にそう思ったことがありまして、普通の電車が時速100kmほどで走るから、その3倍の速さに耐えられるモーターを作るのは大変そうだなーと思った事があります。

そこで、いろいろ調べているうちにわかったことがあり、走る速度は3倍でも、モーターは3倍も回転していないことがわかりました。

 今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい新幹線技術の本  より

こちらの書籍に新幹線で使われるE5系のモーターの回転速度と、山手線で使われるE235系のモーターの回転速度を比較した表が掲載されています。

新幹線E5系が時速300キロで走っている時のモーターの回転数は5136rpm、一方、山手線で使われるE235系が時速100キロで走っている時のモーターの回転数は4576rpmとなっています。

4576rpmと5136rpmを比較すると、1:1.12237762・・・となり、約1.12倍となります。

つまり新幹線が時速300kmで走るの時、山手線が時速100kmで走る時の1.12倍のモーター回転数ほどしか差がないのです。

このような事になるのは、歯車比(ギア比)によってなされており、書籍画像の表によりますと、新幹線E5系のモーターについている小歯車の数は、山手線E235系のモーターについている小歯車よりかなり多くなっているのがわかります。

そのため発車時の走り出しの加速は、山手線E235系の方が少ない力で加速することができ、駅停車が多い山手線にとっては使いやすい作りとなっています。

 

このギア比の違いはよく自転車🚲で例えられることがあり、山手線のような車両はギア1、新幹線車両はギア7など高いギアで固定した状態で走っているようなものです。

ギア1だと、こいでもこいでもスピードがあまり出ませんが、自転車のペダルは軽くこげます。

ギア7で発進するとしたら、走り出しの際にものすごい体重をかけて、ゆっくりとペダルを回していくことになります。発進時にかなり力を加えないといけないため、普段こういう乗り方をする人はあまりいないでしょう。

山手線に使われるE235系は、11両編成のうち、6両にモーターがついています。E235系 wiki

新幹線に使われるE5系は、10両編成のうち、8両にモーターがついています。E5系 wiki

最近の新幹線は、先頭車と最後尾の車両以外の全ての車両にモーターがついている場合がほとんどで、このモーターの多さによって、低速時の発進に必要な大きな力を補っているのかもしれません。


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