超電導技術を使って超省エネ電車は作れる?
超電導は、物質を超低温に冷やす事で、電気抵抗をゼロにし、電気を非常に良く通すようにする技術を言います。(超電導リニアで言われるピン留め効果も有名ですが)
どれくらい電気を良く通すかを視覚的に表している動画があるのでコチラ↓にリンクを貼らせていただきます。
電車を走らせる時、最も電力を使うのはやはり走行用モーターでしょう。
世界の消費電力の内、約半分はモーターで消費されていると言われています。(リンク)
こういう点からもモーターが使う電力量はまだとても大きいと考えられます。
そこで超伝導をモーターの電気回路に組み込む事で、このモーターの電力消費量はかなり減らす事が出来るのではないでしょうか。
モーターの内部には電磁石が搭載されています。電磁石にはコイルが巻きつけられています。そして強力な電磁石を作るにはコイルの巻線数を多くする必要があります。
つまり電磁石の強さとコイルの巻線数は比例していると言えます。
さらに、コイルの巻線数を増やすと電気抵抗が増えるので、コイル巻線数は電気抵抗の数にも比例していると考えられます。
強い電磁石を作るためにコイルの巻線数を増やすと、それに伴って電気抵抗が増えるという性質があるようです。これは電磁石の抱えるジレンマでもあったと言えるでしょう。
そこで、このジレンマを解決するために超電導の技術を用いてコイルの電気抵抗を減らす事が出来るのでは、と考えられます。
超電導技術は省エネ化に貢献するのではないでしょうか。
超電導を維持するためには常に超電導回路の部分を冷却しなければいけないそうなので、その冷却維持のためにどれほどコストがかかるかはまだ明確にわかりませんが。
電動機(モーター)の回路に組み込む以外に、送電線に超電導を組み込めば、送電の際にロスする電力が減るとも考えられます。
因みに、超電導技術をモーターに組み込む研究は、既に行われているみたいです。
電車に使われているモーターのうち、PMSM(永久磁石同期モーター)というものがあり、コチラはモーターを完全に密閉した状態で使用されます。
そのため、熱を逃がしにくく、超電導で必要とされる低温を維持しやすい考えられます。
なので、PMSMなど密閉性に優れたモーターを使う電車は、超電導モーターを比較的導入しやすい分野とも考えられるのではないでしょうか。
PMSMが使われている東京メトロ16000系
モーターの省エネ化が進めば、鉄道は更に省エネに優れた乗り物にもなるので、そういった意味で今後の発展にも期待が膨らみます。