JR九州,  平成筑豊鉄道,  鉄道全般,  鉄道社会問題

平成筑豊鉄道の年間維持費が10億円。鉄道部品は生産数が少なくコスト高になりがち。

いま各地で赤字ローカル線の存廃議論が進められており、福岡県を走る平成筑豊鉄道も存廃議論に上がる路線の一つとなっています。

  画像出典 http://chinoko.cocolog-nifty.com/door/2012_4/index.html 

平成筑豊鉄道は、第三セクター方式で経営される路線で、その前進は、国鉄からJR九州へと引き継がれた地方交通線であった、伊田線、糸田線、田川線です。

これらの路線も元は、石炭や石灰石を運ぶ目的で作られましたが、石炭産業は衰退し炭坑も閉山。田舎の風景を真っ直ぐに走る路線が残りました。

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平成筑豊鉄道の利用者の4割が高校生の通学利用と言われています。

以下の動画のインタビューで高校生の親御さんなど周りの大人は、もっぱら車移動をすることが多く、沿線住民が社会人になると車移動になるという、他のローカル線の地域でよく聞くのと同じ状況であることが見受けられます。

また、免許を返納した高齢者が地域の足として鉄道を利用している点もあるようで、こちらも全国のローカル線と同じような状況です。

沿線の観光名所のPR、レストラン列車の「ことこと列車」を運行し、外からのお客さんの呼び込みを行い、また、商業施設の近くに新しい駅を設けたり沿線住民の利便性向上を狙っています。

年間利用者数は、ピーク時には340万人ほどいましたが、2023年度には約135万人となりました。

利用者減の要因として、少子化や過疎化、モータリゼーションの進展などが挙げられており、こちらも他の地方鉄道と同様の背景があります。

【平成筑豊鉄道】年間10億円に膨らむ赤字予測の背景は?鉄道の廃止は防げるか?

沿線自治体の支援と利用促進策によりピンチを乗り越えた平成筑豊鉄道ですが、利用者数の減少は続きました。2023年度の年間利用者数は約135万人。これは、開業当初の半分以下です。

また近年は、沿線地域を襲う豪雨災害により復旧費用や防災対策などの費用が増加。老朽化した施設の更新費や修繕費も重なるほか、燃料費や資材費、人件費の高騰といった影響も受け、赤字額は増加の一途をたどり続けます。ちなみに、2023年度の赤字額は約5億2,000万円。赤字は今後も増える見通しで、2026年度以降は年間10億円規模になると予測されています。

https://tetsudokyogikai.net/thirdsector/heiseichikuho

鉄道の維持費というのがネックになり、年間10億円になると試算されてます。

 

鉄道の損益分岐点がいくら位なのかは、鉄道路線によって違うのだと考えられますが、鉄道を維持するために必要な最低ラインというのがあるでしょうから、そこに近づけることが必要です。

維持費を減らすための設備や車両の合理化などです。

利用者を増やすにあたっては、サービスを拡充が必要で、それには資金が必要となるため、削減ばかりでも発展できないことがあります。

 

鉄道の維持費が高くなってしまう要因の一つとして、鉄道車両は大量生産をしないため割高になる、ということがあります。

自動車のように、大量生産することで1台の生産コストを下げるということが出来れば良いのですが。

鉄道車両に、自動車で生産されている部品を転用することが出来れば、いくらかコストや削減ができるかもしれません。例えば、エンジンやライトなど。

現在、Zip infrastruture社が開発している都市型ロープウェイ「Zippar」では、軽トラックEVの走行ユニットを転用することで開発費を抑えることができたと言われています。

https://zip-infra.co.jp

既存のユニットを使うことで、車両の開発コストを下げるという方法が取られています。

鉄道産業が孤立しがちで小ロット生産となることで、車両のコストが割高になるという面があるので、うまく設備を使うことでコスト削減になるという事例があります。

バスやトラックのエンジンを鉄道に転用する場合は、鉄道での使用に耐えうるように調整が必要になるので、そのためのスキームがうまく進められることが求められそうです。

https://x.com/i/grok/share/OGZ3GI48HunDa2eV5su0X4x0p

 

日本経済が低迷すると、観光客が以前のように増えないということもあるでしょう。

国民の税負担が減り、国民の生活に余裕が出れば、足を伸ばして観光する人も増えるかもしれません。そうすると、沿線の魅力をアピールすることで観光需要の回復は見込みやすくなるはずです。

政府が行う、ステルス増税や海外へのばら撒きが問題となっていますが、これらで国民の負担が増えており、赤字ローカル線の観光需要減退にも響いていることが考えれらます。

海外のインフラ支援をするのではなく、その前に国内のインフラ支援にもっと力を入れるべきと言えます。

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アイキャッチ画像は下記HPより転載

https://www.heichiku.net/photo/2018/09/28/赤彼岸花/

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