自宅で電解水を作ってみた。【アルカリ電解水、酸性電解水】(DIY、自作)
今回は、自宅で電解水を作ってみたというタイトルの元、作業をした時の内容をブログに書きたいと思います。
食塩水を電気分解すると、プラス極側はマイナスの電荷が集まって酸性に、マイナス極側はプラスの電荷が集まってアルカリ性になる事が分かっています。
この特性を使って自宅でも電解水が作れないかと考え、電解水作成キットを作って実験してみました。
ただ、隔膜が専門的なもので、身近なところで中々手に入らないため、何か別の方法で電気分解中に二つの部屋を仕切る事ができないかを考え、二つの容器の間に水が通れる穴を作って、その穴を塞ぐ事で、(隔膜法より大まかな分解結果になると思われますが)陰極側と陽極側の水を分ける装置を作ることにしました。
今回は二つのペットボトルを接合して、それらを逆さにした状態で使い、二つの部屋に分かれた構造の容器を作っています。
水の通り道となる穴を作るために、接合した部分に切れ込みを入れてあります。
この切れ込みは、あまり大きくない方が良く、指の太さより少し細いくらいの方が適しています。(作業中に塞ぐため)
接合をするために、使ったものはDIYでおなじみのグルーガンになります。
グルーガンは百均で売っているものを使っています。
接合した部分から水が漏れないように、念入りにグルーガンで接着します。
ペットボトルを逆さにした構造のため、そのまま置くと不安定で危険です。
そのため、転倒を防ぐために、ダンボールで枠を作って、その中に納めて使用しています。
※画像だと殆ど見えませんが、電極を固定しやすくするため、両端に小さな切れ込みを入れており、そこに電線を引っ掛けて使う事ができるようにしてあります。
電気分解をするにあたって、電極と電源が必要になります。
電源は電池でもいいのですが、ちょうど家に古くなったNゲージのコンローラーがあり、そちらがまだ動いたので、電圧を調節できるコントローラーを電源に使う事にしました。
始め、電極にアルミ箔を使っていたのですが、アルミは水中に溶け出しアルミ中毒を引き起こす可能性があると言われており、炭素棒を電極に使った方が、水中に溶解せずに安全だという情報を元に、炭素棒を電極に使う事にしました。
炭素棒を使った電極の作り方については以下の動画を参考にさせて頂きました。
簡単!激安!自作次亜塩素酸水生成器で食塩水を電気分解し次亜塩素酸水の作り方 新型コロナウイルス(COVID-19)対策
ただ、炭素棒がどのような材料で作られているかは定かでは無く、塩素も含まれているため、電解水を直接口にいれるものに使用したり、使用後に流したり拭き取ることをせずそのまま放置をしないよう注意が必要です。
こちらのキットの全体像はこのようになります。
実際にこのキットを使って作業を進めていきます。
まずは食塩水を用意します。
この容器の容量だと、片方の容器に550ml程の水を入れるとちょうど良いい具合に隣の容器に水が行き渡るので、全体として1100mlの食塩水を作って、容器に流し込みます。
食塩水の濃度は約1%で作りました。
食塩水を流し込み、電極をセットして、電源を入れます。
すると電極から泡が出ており、反応が進んでいる事がわかります。
水素や塩素が発生しているので、念のため換気をしながら実験を行いました。
この時は、電圧は恐らく5〜6ボルトで、3時間以上電気分解をしました。(コンローラーのMAX電圧は12V、半分あたりの出力にハンドルを回して電気分解を行いました。)
その時にリトマス試験紙でpHを測ってみると、プラス極側付近は酸性に、マイナス極側付近はアルカリ性に水が変化していました。
マイナス極側のpHは約11なので、そこそこ強いアルカリ性になっています。
プラス極側は、pH約3を示していました。酸性になっている事がわかります。
酸性とアルカリ性に分かれた状態を保つには、ペットボトルの接合面に開けた穴を塞いで、水が混ざるのを止める必要があります。
接合面の穴を塞ぐために使用したものは、炭素棒に巻いてある電線を防水するためにつけたエアコン用パテを使用します。
新たにエアコン用パテを適量取り、そちらで穴を塞いで、それぞれの水を取り出します。
なるべくは素手で触らない方が良いと思われるので、ゴム手袋をつけて、作業をしています。
まずは電極を取り出して、容器を持ち上げられるようにします。
そして、それぞれの容器に入った水を取り出すために、片方はペットボトルの底から水を抜いて取り出します。
まずはマイナス極を入れていた側のアルカリ性の水から取り出していこうと思います。
マイナス極側の電極は、反応が進む中で電極の表面が剥がれて、炭素棒の破片が液中に入っているため、その破片を受け止めるザルや、濾紙を通して取り出した方が良いかもしれません。
結構重いので溢さないように、慎重に取り出します。
※こぼすと掃除が大変なので、こぼしても良い場所、もしくはモノが少なく掃除をし易い場所でやることをお勧めします。
もし溢してしまった場合はきれいに拭き取り、水でもう一度拭き取ることをお勧めします。家具などに施された油分のコーティングがアルカリ性の電解水によって剥がれてしまう事があるので。
取り出す方のペットボトルの蓋を開けて、水を下に落とします。(このやり方は少し難しいので、もし可能であればペットボトルの蓋としてコックか何かをつけた方が取り出しやすいでしょう。)
もう片方の容器に入った水は、もう下から落とさなくても良く、容器を傾けて注ぎ出しても取り出す事ができます。
出来上がったものは、酸性とアルカリ性に分かれているはずですが、念のためリトマス試験紙をつけて測ってみます。
取り出し前と殆ど色が変わらないように見えます。
酸性電解水の方も測ってます。
こちらも殆ど変わりが無いように見えました。
今回はpH11のアルカリ性電解水と、pH3の酸性電解水ができました。
酸性電解水とアルカリ性電解水は、洗剤として使われる事があります。
この装置で作ったアルカリ性電解水を使って、油汚れのついた服を洗って見たら、通常の洗濯洗剤だけでは中々取れなかったベタベタがかなり取れたように感じました。
また家族に油汚れの洗剤として使ってもらったら油がよく落ちたと声がありました。
そのため電解水としての効果は発揮されていると言えるでしょう。
また食塩水が材料なので、原価はかなり安いです。(水道水と食塩だけなら数円程度。)
ただ、作成した電解水にどれだけ食塩が残っているは分からないので、錆るような場所に使う場合は残らないようにきれいに拭き取るなど、注意して使った方が良いかもしれません。
また、前述させて頂いた通り、マンガン電池から取り出した炭素棒にどのような成分が含まれているかハッキリ分からないので、食べ物など直接口に入れるものに使用する場合は十分注意した方が良いかもしれません。
今回、電解水キットを作るために使った材料は以下になります。
・ペットボトル2つ(2ℓ入りの天然水を使いました。)
・グルーガン(ダイソー)
・グルースティック
・炭素棒(マンガン電池から取り出し)
・電源(今回はNゲージのコントローラーを使いました。電池などでも可能。)
・ビニル電線
・エアコン用パテ
・食塩
※その他、カッター、紙やすり(ペットボトルの切り口を平すため)、手袋、計り、茶こし、など揃えた道具もあります。
高温炭化させた備長炭や竹炭なども電気を通すので、より天然に近い材料を使い行いたい場合、備長炭に多少出費が出来る場合は、そちらを電極として使用する事も出来ます。