フランス,  鉄道全般

フランスの在来線(TER)は、各駅停車でも160km/hで走行。

フランスの鉄道網の中には、主に地域圏輸送を担うTERという旅客輸送サービスが存在しています。

フランスの鉄道ではTGVが比較的有名ですが、TGVは日本での新幹線のような立ち位置にあたり、TERの方はJRの在来線のような立ち位置にあたると言われています。

地域圏急行輸送(ちいきけんきゅうこうゆそう、フランス語:Transport express régional)は、フランス国鉄地域圏ごとに行なっている鉄道およびバスによる旅客輸送サービスである。通常はTER(テーウーエル)と略される。ロゴタイプ小文字でterと表記される。レジオン(地域圏)高速交通と訳されることもある。列車種別上は、TERは追加料金不要の地域内列車の総称であり、JRで言えば広義の普通列車(快速列車を含む)に相当する。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/地域圏急行輸送

TERは、追加料金不要の普通列車、もしくは快速列車として運用されていますが、列車の出す速度は160km/hになります。

下に「TER」のwikipedeiaのスクショを貼らせていただいていますが、160km/h運転をする車両がいくつか紹介されています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/地域圏急行輸送

快速列車では、200km/hで走る列車も設定されているようです。

https://x.com/mtfs125/status/1733356268247543925?s=20

https://x.com/mtfs125/status/1732322182544400782?s=20

TERは、日本の在来線に比べると最高速度が早く設定されています。

日本の在来線では、常磐線が普通・快速列車で130km/hを出し、最も速度を出す部類に入ります。

https://www.youtube.com/watch?v=NycZCN5g9JA

他に、JR西日本の新快速が、130km/hを出す在来線として有名です。

 

日本の在来線が130km/hまでしか出せない理由について、走行する列車はどんなスピードからでも600メートル以内に止まれることが省令で定められてたことに由来すると言われており、これを通称600メートル条項と呼ばれています。

https://www.youtube.com/watch?v=lmLqNTT07ro

踏切で起きる事故を防ぐために、肉眼で確認できる限界の距離が600mとされており、そこからブレーキをかけて600m以内に止まれる速度というのが130km/hに設定されたようです。ただ、ブレーキ性能の向上により140km/hに引き上げられる見通しもあるようです。

日本においても、踏切がない線路を走る場合には、600メートル以内の停止が必ずしもかけられていません。

例えば、京成スカイライナーは、踏切のない北総線内を160km/hで運転しています。

京成スカイライナー (画像掲載元 http://gahag.net/005992-keisei-ae-series/)

また、北陸新幹線開業前まで走っていた特急「はくたか」も、踏切のない区間(ほくほく線内)で160km/hを出していました。

特急はくたか (画像掲載元 https://www.uraken.net/sozai/railstation/uraken18/photo/0008.jpg)

こういった高速運転をするためには、踏切がない以外に、騒音公害対策や、高速走行に耐える線形の良さ(線路の頑丈さ、高速通過できる分岐器、線路の歪みのなさなど)といった、他の要素も必要になってくると思われます。

TERが160km/hを出すフランスでは、日本の600メートル条項のように、最大許容ブレーキ距離に規定がありません。つまり何メートル以内に止まれなければいけないという規定そのものがありません。そのため、TERは在来線であっても速度が出せるのだと考えられます。

600メートル条項

映像を見るとTERは、見通しが良く民家の少ない場所を走っており、そういった面でもスピードを出しやすいのでしょう。

映像を見ていると、TERの線路にはロングレールが使われており、’ガタンゴトン’というジョイント音は殆どなく、車内の揺れも少ないような印象です。

フランスの鉄道は意外と速く、こうした海外の鉄道事情を見ると、日本にはないセンスや考え方や技術があるのを感じます。

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