QRコードの自動改札機が徐々に導入されている。QRコード新技術はコスト削減になる?
近年、駅の自動改札機に、QRコードを使った機器が導入され始めています。
JR東日本では、乗車券予約サイト「えきねっと」にてネット予約できる乗車券の種類に「QR乗車」が追加されるようになりました。
「QR乗車」が導入されることで、スマホなどモバイル端末に表示されたQRコードを、改札機に読ませて、改札を通ることができるようになるものです。
それまでのJR東日本のチケットレス乗車は、特急券はスマホなどのモバイル端末で利用できたものの、乗車券については紙で発行するか、Suica(交通系ICカード)を使う必要がありました。
そのため、改札を通るには、紙の切符か交通系ICカードが必要でしたが、今回のQRコードを使った乗車では、特急券も乗車券もスマホ1台で済むようになり、チケットレス乗車がより簡潔になったシステムとなっています。
JR東日本の他に、東急電鉄でも、QRコードを活用した乗車サービスの実証実験が開始されています。
東急では、クレジットカードのタッチ機能を活用したサービスが合わせて導入されており、QRコードとクレジットカードの2つの読み取り部が設置されています。
まだ実証実験の段階のためか、全ての改札機に設置されておらず、各駅に一つ読み取り機が設置されているようです。
東急のデジタルチケットサービス「Q SKIP」にて、クレジットカードを登録し、事前に乗車券を購入して、スマホやクレジットカードをかざして使う使用法になっているみたいです。
「クレジットカードのタッチ機能」「QRコード」を活用した乗車サービスの実証実験を 2023年12月12日(火)から東横線・目黒線全駅でも開始し、
2024年1月中に東急線の全駅(※1)で実施します
実証実験段階のため、サービスが完全ではないのかもしれませんが、毎回スマホ上で乗車券を購入するのは、忘れがちになりそうだなと個人的には思うところがありました。
毎回電車に乗る前のどこかの時間でスマホを操作することになりますが、他のことで忙しくつい忘れてしまい、改札の前で気づいてそそくさと隅っこに寄ってスマホを操作して切符を購入、ということにもなりそうな気がしました。
PasmoやSuicaなどの交通系ICは、まとまった金額をチャージできるため、毎回、金額をチャージする必要はなく、たまにチャージする程度で済ませることができました。この点の利便性は現在のところ、交通系ICの方がありそうです。
・新技術で、改札機のコストが下がる?
これまで電車に乗るときに、SuicaやPasmoといった交通系ICカードを使うか、券売機で紙の磁気券を購入して、自動改札機を通ることが主流となっていました。
普段、改札機を通る時、何気なく切符を入れて通ることが多く、改札機の構造をわざわざ考えて通ることはほぼないでしょう。
紙の磁気券を読み取る改札機の内部というのは、ものすごいメカニカルになっています。
メカニカルな改札機の内部↓
切符を裏側にして入れてもきちんと読み取れるようになっていたり、2枚同時に切符を入れても、きちんと向きを揃えて読み取り、切符が揃って出てくるようになっていたりと、スムーズに利用できる工夫がされています。見ていると、よくできてるなーと思います。
このメカニカルな改札機を各駅に設置していたので、導入費はもちろん、毎日稼働させてメンテナンスを行うとなるとそれなりに保守費用もかかってくることが考えられます。
交通系ICカードが普及し、ICカード対応に対応した改札機が増えることで、紙の切符を通さずとも自動改札を通ることができるようになりました。
ICカードの読み取りになることで、紙の切符を読み取る改札機に比べて、構造上の部品点数は少なく済み、稼働部分の消耗品が減るなどのメリットがあるでしょう。
また改札機をコンパクトに作ることも可能になっています。
ローカルな地域などにある’ICカードのみ’の簡易型自動改札機は、それまでの自動改札機に比べて、かなりコンパクトにできています。
因みに、自動改札機の値段は大体1台700万円と言われています。
多機能になるほど値段が上がり、最大1台2000万円になると言われています。(2020年頃の物価で)
ICカードと紙の切符の複合機はどうも高いみたいです。
首都圏では、その高い機器が各駅にあったりします。
逆にICカードのみ対応の改札機もありますが、そのICカード専用の改札機の値段がいくらくらいなのかは、調べてもなかなか出てきませんでした。
部品が少なくコンパクトな分、改札機そのものの値段は、紙きっぷのものより抑えられているんじゃないかと考えられます。
IT技術は、初めにシステムを構築する段階で、確実な動作、セキュリティ面の強化、間違いのないように運賃が計算されるようにするなどアイデアを詰めていき、抜かりのないシステムを作るために費用がかかるでしょう。
実証実験で出てきた問題点や改善点をクリアして導入に向けて動くのだと思います。
一度導入されて、供用開始されてしまえば、紙の切符に比べて、改札機のメンテナンスコストや切符の回収にかかる手間や切符を印刷する費用など、運用上の費用は抑えられているのではないかと考えられます。
QRコードも同様にデジタル技術を使いますが、QRコードの発行方法や、ネット上での購入ページの構築など新たに導入するシステムがあるはずです。ただ運賃体系は、交通系ICと変わらないと思われるので運賃計算はそのまま前のものを引き継ぐのでしょう。
電車の切符を購入するのに、オンライン決済が普及することで、より多くの人がクレジットカード情報を登録することになるのが必然的に予測できます。
そのため、不正利用防止がより確実なものでないと、カード情報の盗難や不正利用があった際に被害が大きくなることが考えられます。
JR東日本は、IC乗車券の利用データを他社に販売を検討するというびっくりな動きをしていたことがあり、個人の行動経路が記録された個人情報に近いデータが、企業間で簡単にやりとりされる現状に危険を感じます。
創価企業のJR東日本が、IC乗車券「Suica」の利用データを民間企業に販売を検討
本人が悪いことをしていなければ行動履歴が知られるのは、一見すると大したことには見えませんが、情報を管理する側が悪者であれば、その情報が悪用される危険性があります。
また、近年はクレジットカードの不正利用が増えていて、情報盗難には中国人の犯罪グループが関わっているケースもしばしばあるようです。
国内のクレジットカード不正利用額436億円 1997年の統計開始以来、過去最悪を更新
政府は、移民政策として、外国人の受け入れを進めており外国人の数は増えています。差別や偏見はダメだと言われますが、外国人犯罪が増えているのもまた現実としてあります。そのため、それなりに適切な判断が必要になるでしょう。
公共交通にも、顔認証やクレジットカード決済が普及する中で、不正利用の被害を極力減らすために、個人情報がきちんと守られるようにシステムが強化されるようのが望ましいと、システム設計者ではなく単なる一利用者ですが、そう思うところがあります。
因みに、鉄道会社各社で、紙の磁気切符を、QRコードが印字された切符に置き換えて行くことが予定されています。
関東では、京成電鉄株式会社、京浜急行電鉄株式会社、新京成電鉄株式会社、西武鉄道株式会社、東京モノレール
株式会社、東武鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、北総鉄道株式会社などです。
QRコード化の流れは、鉄道業界全体に広まっているみたいです。