南武線,  小田急電鉄,  東急

再開発が進む「登戸」駅前 高さ100mを超えるタワーマンションの建設予定も

川崎市多摩区にある「登戸駅」の周辺では、再開発のための工事が行われており、ここ数年で建物の様子がかなり変わってきています。

登戸駅前の再開発は、川崎市が施工する「川崎都市計画事業登戸土地区画整理事業」区域内の90街区の一部で、約0.6haの区域を一体的に整備する、とされており、つまりは、再開発は川崎市の事業になります。

事業推進者は、登戸駅前地区市街地再開発準備組合と事業協力者である東急不動産、東急、小田急不動産、小田急電鉄になり、このように、組合や企業が市の事業を推進する形で進められているようです。

登戸駅前再開発が決定。商業施設や歩行者デッキ整備

登戸駅には小田急線とJR南武線が通っているので、開発に関わる不動産会社は小田急とJR東日本のグループ会社になりそうですが、小田急と東急が事業開発に関わっています。

再開発によって、駅付近の敷地には地上38階建て高さ146メートルのタワーマンションが建設される予定となっています。

タワーマンションの1〜4階は、商業施設が入る予定で、その利用者はマンションの住民から駅周辺の利用者、近隣住民まで予想されます。

https://shutten-watch.com/kantou/24273

タワーマンションが建てられる土地は、以下Google Mapストリートビューに表示されている場所で、現在更地となっています。

それ以前の駅前の様子は、低い建物が並ぶ商店街でした。昭和の街並みといった感じのものだったでしょうか。

  

再開発が行われる場所には、既に住民がいます。

再開発によって一旦更地にされる土地に、住民は住み続けることができませんが、開発者側と住民との間にどのようなやり取りが行われるのでしょうか?

何らかの形で、住民側が立ち退きをすることになりますが、立ち退きというとあまりいいイメージがないのが正直なところです。

 

登戸駅前の再開発においては、「集団移転方式」という方式がとられ、市は権利者と協議・調整を進めながら、再開発事業を進めてきたようです。

 

登戸駅前の集団移転の状況(2019年3月時点)

2013年にまとまった地区で建物の移転や解体の時期を合わせる「集団移転方式」を盛り込んだ整備計画を策定しており、2019年3月時点の状況が公表されていました


参考
登戸駅西側周辺の道路が完成登戸まちづくり

・進ちょくの目安になる仮換地指定が2019年1月末時点で86%に達し、市は今年度中に駅前広場を含む登戸駅南口側の事業着手を目指す。
・同事業初の集団移転で道路が完成した駅西側では、住民主体による新たなまちづくりの活動が進んでいる。

https://shinyuriknow.com/life/3589/#google_vignette

集団移転が行われ、分けられた区画ごとに移転先に引っ越してもらうようです。

 

土地区画整理において、開発中に自分の土地が使えない権利者は、仮換地という仮の土地を使うケースが慣例となっているようです。

    

土地区画整理ってどんな土地?

土地区画整理事業地内で購入できる土地には「仮換地」と「保留地」というものがあります。
それぞれがどういう性質なのかということについて解説します。

 

 

「仮換地」とは?

土地区画整理事業が開始されると今までの土地(従前地)は使えなってしまいます。

しかし土地区画整理事業の工事は数年~数十年かかることもあり、それらが終わるまでの間、自分の土地が全く使えないとなると地権者にとってはとても不便です。

そこで自分の土地が使えない代わりに「仮の土地」を使う権利が指定され、従前の土地の所有者はそこが自由に利用できるようになります。
この、仮の土地のことを「仮換地」といいます。

仮換地は土地区画整理事業の完了時に「換地処分」という手続きが行われ、そのときに「仮の土地」から「本当の所有地」に切り替わることとなります。

また、換地処分が行われることによって、今までの土地(従前地)の権利は完全に消滅することとなります。

土地区画整理事業が行われている間、実は「今までの土地(従前地)」と「仮換地」という2つの土地の権利が同時に存在しているという特殊な状況であることを理解しておきましょう。

https://www.miraikensetsu.com/news/post-49662/

  

 登戸の再開発においても、「仮換地指定」が行われたようなので、住民は、開発中に仮に使える土地を指定されていたことが伺えます。

 

引越し先の土地が確保され、開発が終わった後に、今までの土地(従前地)に戻れるのなであれば、住民にとって損失はなさそうですが、実際には土地の面積が減少するケースがあるようです。

仮換地は必ず減歩される

住みやすい街をつくるためには、道路を拡幅したり、公園などの公共施設をつくったり、財源を確保するために保留地をつくったりする必要があります。
それらの面積を確保するためには、もともとの従前地から少しずつ面積を分けてもらう必要があります。
そのため昔から土地を持っていた人からすると、土地区画整理事業によって自分の土地の面積がどれくらい減るのかというのは気になるところだと思います。

土地区画整理事業による面積減歩は避けて通れないデメリットですが、それ以上に街が住みやすくなって土地そのものの価値があがるというメリットがあるということも理解しておきましょう。

https://www.miraikensetsu.com/news/post-49662/

・川崎市は地区内の権利者や居住者との協議を重ね、円滑な事業推進を図っていく
・仮換地指定を経て移転契約が結ばれ、解体が完了した建築物等移転棟数は、地区内1358棟のうち60.5%(2017年7月末時点)
・仮換地指定は第一段階にあたり、施行者である市が区画変更や道路新設を行うための手続きの一つで、権利者と交渉の上、将来換地になる土地の位置や形状を指定する。

https://shinyuriknow.com/living/1132/

 土地区画整理がなされると、大抵の場合、権利者が元々持っていた土地よりも面積が減ることが多いようで、再開発が行われると土地が減るデメリットが権利者にあります。

登戸の再開発において、川崎市が、権利者の合意を得るのに時間を要し、再開発の期間は長くなったと言われています。

登戸の土地区画整理、さらに10年延長、合意手間取り/川崎市

権利者側にとって、再開発のメリットがわかりにくいと、交渉がスムーズに進まないのかもしれません。

 

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そうした中で、お店を維持するのが難しくなり、再開発に応じざる終えなくなった権利者もいたかもしれません。

登戸の再開発では住民との協議が並行して行われているように見えますが、当事者ではないのであまり細かいことまではわかりません。

 

再開発が進められる中で、スマートシティ構想地で試みられているような強引な土地強奪による再開発がなくなり、正当な手段で再開発が進められるようになることを祈ります。

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