鉄道技術,  鉄道社会問題

メンテナンスフリーの車体、構造物で鉄道の維持費を軽減。

今年(2022)、JR西日本が自社の赤字線区にかかる収支を発表しました。

その中で、運輸収入がそこそこある線区であっても、赤字額が膨らんでいる線区があり、鉄道にかかる営業費用が大きくなっている区間があります。

2020年度から過去3年間に渡る収支で、JR小浜線の敦賀駅から東舞鶴駅までの区間(84.3km)では、線区運輸収入が3.1億円で、線区営業費用が21.3億円となり、赤字額が18.1億円となっています。

JR紀勢線の新宮駅から白浜駅の区間(95.2km)では、線区運輸収入が6.7億円、線区営業費用が35.4億円となり、赤字額が28.6億円となっています。

福井新聞 JR西日本の赤字ローカル線17路線の収支一覧まとめ 小浜線や越美北線、姫新線、関西線…利用状況推移も

これらの2路線に共通しているものに、電化された路線というものがあります。

非電化の路線と、電化路線では、やはり電化路線の方が営業費用が高くなり、維持費等のランニングコストもかかることが推測できます。

また、紀勢線に関しては、特急列車が走るため、高速走行に耐えうる線路や架線の強化が必要になり、維持費がかかると見られます。

 

コロナ前に比べて、旅客数が現象しており、政府などはリモートワークなどを普及させてきました。

通勤客の減少や出張客の減少もあり、それらにかかる運輸収入が減ることも考えられます。

また貧富の差が広がり、一部の上級国民が至福を肥やし庶民の収入に余裕がなくなるような制度を敷いてきたため、旅行客などもコロナ前のように戻るということも考え難い状況です。

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公共交通機関でありながら、株式会社の営利目的という考えのもとで鉄道が運営されているため、経営上の赤字で切り捨てられる状況にある路線もありますが、そんな中でも鉄道が廃線に追い込まれないために維持費がそこまでかからない運用というのがカギになると個人的には思います。

メンテナンスフリーの技術というのが開発され、所々でそのような技術が導入されています。

例えばモーターが完全に密閉された永久磁石同期モータがあり、密閉状態を保つため、メーター内に粉塵など入り込まず、このことからモーターを分解して内部の清掃をことなく寿命まで使い続けることのできるメリットがあると言われています。

永久磁石動機モーターが搭載されている車両 東京メトロ16000系

また、変電所の設備にもメンテナンスフリーに繋がる設備が導入されている例があるようで、キュービクル型ガス絶縁開閉装置(C-GIS)の採用例もあるようです。(オーム社 鉄道安全解体新書)

 

メンテナンスフリーの技術、出来ることなら寿命までメンテナンスを必要としない技術が鉄道車両や鉄道構造物に使われることで、鉄道にかかる維持費が抑えられ、旅客数が以前のように戻らなくとも公共交通機関の維持に繋がるようになれば、交通弱者を犠牲にしてまで廃線に追い込む必要性も無くなるのではないかと一つ考察しています。

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